2年ほど前、星蓮船が発表されたときだったかな
そのときに描き始めたまま放置してた絵をどっこいさと発掘して描き上げました。
伊関の呼称ではこの行為を没絵サルベージと呼んでいます。
絵から感じとれる過去の自分がいったいなにをしようとしていたのかということ
そこから得られるものを現在、そしてこれからにつなげていこうという試みであります。
なにかを越えようとしたとき壁にぶつかって挫折した、
没絵の没絵たる所以はそのときのあがきの痕としても残っています。
それから数年、今の実力なら仕上げられるのでは、そう思って取り組み始めました。
そして実際の作業において様々なことに感付かされます。
そのときにしかえがけなかったもの、それが筆の跡からにじみ出てきます。
過去のタッチと現在のタッチが重なり合っていくにつれ、その違いがわかってくる。
例えば熱意とか勢いとか、当時取り組んだ心情というものは手元に残らないわけですが
自分の手がけたものならばそれが込められていて読み取ることができる、
そうして過去の自分からそのエネルギーの伝播を得ることができるわけです。
このように自分を半分他者に仕立てて見つめ返すということは
成長には欠かせない過程だと思います(学習基本のうちの復習と反復)。
どこがよくでどこが納得いかなかったのか、そして今どれくらい理想が実現できるのか。
当時と今の差を最後まで仕上げて確認していくわけです。
現在の自分は過去の自分よりがんばっているか?という自戒も込めて。
もうあと数枚没絵サルベージをしたいなと思ってますが果てさて。
あまり過去に囚われてもいけませんが・・・(笑)