新年あけましておめでとうございます！
今年も伊関と伊関の作品をよろしくお願いいたします。

昨年は「千年を知る君の声」も無事完結し、本当にここまでありがとうございました。
感想や評価もいただいたり見かけたりして非常に励みになっております…！

と、いうことで遂に2014年になりましたが
今年の伊関の活動は長編漫画には一旦区切りをつけまして
基本的にはイラストメインになるかと思います。

同人活動において「千年」各巻のような100p前後の新刊が出ることはありませんが
既に5月の例大祭に申込んだりと、何かが出るやもしれません。

ほかに裏でもいろいろ企んでますよ…！


新年絵！





以下、「千年」についての長文になります。

・「千年を知る君の声」について（ブログ版あとがき）
※本編を読んでから見てね。


この作品については語っても語りきれないほど
言いたいことがありますが、
ここでは伊関の心情の経緯を書き綴りたいと思います。


この作品の制作は同人的、二次創作的動機のほかに
伊関が考える創作や娯楽というものへの回答、
そして自身の創作活動の終わり（最終回）を念頭として
制作が開始されました。

「これで最後にしよう」としていたのは
明けぬスランプの中で決めたことでもあり、
これに殉じるつもりで描き始めたからです。
諦めというより最後に爆発してみようという試みでした。

自分の可能性に賭けていた部分もありました。
「もしかしたら…」という予感は上巻の128pを
描き切ったあたりから浮かび上がってきます。

「もうどうにでもなっていいから作品だけは最高の仕上がりで完成させる」
と言い聞かせながら夢の中に溺れていきました。

基本的に制作中は楽しんでいました。
夢の中ですから。

物語という夢の中に言葉通り夢中になって
あれこれ考え、形にしていきました。

その様相は制作時にリアルタイムで
物語の内容に影響を与えています。


制作していく中で、
物語をつくっていく面白さ、
絵が描けるという楽しさを
実際の作業を通して改めて認識していきました。

そして制作面以外でも
自分がつくったものに対して
それを読んだ人たちが何かを抱いてくれる、
声を聞かせてくれる、

それが自分の創作行為によって
互いに花開いていくという喜び、

この根源的な部分に目を覚まされました。


この物語には「夢」という言葉が出てきます。
その意味のひとつは紛れもなく創作や娯楽についてです。

つくること、それを見ること
そのときは夢の中です。
そして夢はやがて終わりを迎えます。

しかし本として書き記す、残していくことで
夢はいつでもその中に封じ込めておけます。


計らずとも「君の声」とは
これを読む人の声のことであったこと、
つくっていく内に現実と物語に重なるものがあることに
自覚していくようになりました。

正直に言って、奇跡的です。

この物語は同人的、二次創作的である部分と
自分がこれをつくっていくこと、それにより変化していくもの、
そして当初から決定されていた表現すべきだとしていたものが
かなり高い純度で融合を果たし、
完全に、と言っていいほど物語のテーマや展開と合致しています。


制作を続けていく内に上巻のときに得た予感は膨れ上がっていき、
自分の中で「ここで終わるわけにはいかない」という感情が芽生えはじめ
「寧ろ、これからではないか」といったものへ変化していきます。

「終わりの物語」が「これからへ続く物語」に変化したことは
クロシュラが描いてきた原点に新しい意味を生み出しました。


離れてしまうけれど、いつでも会える。
いつでも会えるけれど、いつまでも一緒にはいられない。
ならば答えはひとつです。


永い夜は明け、雨は上がり、
僕はこれからもつくり続けていきます。